幼馴染みと
「随分大きくなっちゃったんだね・・・」
久しぶりに会った幼馴染みが実家に帰ってきた。
「東京の学校を受験するから・・・。」と
彼は突然私の前からいなくなった。
そして高校卒業後、ようやく彼は帰ってきた。
「よう、久しぶり」
たまにメールや電話でやり取りはしていたものの
久々にみる彼の成長した姿は何だかまぶしい。
「やっぱ地元が落ち着くわ」
大学生になった私たちは、同じ地元の大学に進学することに。
「やっとお前に追いついたな」
高校受験の時、彼は私に
「俺、私立の学校に行って猛勉強してくるから、大学は地元の国立大に
一緒に行こうな」
といっていたのだが、見事2人とも同じ大学に合格。
彼と私は両親同士が仲の良い、お隣さん同士で
小さいころは家族のように、一緒の時を過ごす時間が多かった。
それが当たり前のように。
付き合っているんじゃないかと噂されるほど
どこへ行くにも彼と一緒だった中学時代。
恋愛とは違う、家族のような、お互いが兄弟のような存在。
これからもずっと、仲良くしていきたい。
しばらく見ない間にちょっと男らしくなった彼。
私は少しうつむきながらこう答えた。
「お帰り。待ってたよ」
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